2、子供が急に熱を出した
休日診療における問い合わせの中で非常に多いのが子供の発熱です。
原因としては風邪を起こすウィルスや細菌等の病原体の感染が考えられます。
発熱時には発汗の増加に伴い脱水傾向となりますので、充分な水分・栄養分の補給と安静が必要です。
幼少児の問題点としては”熱性けいれん”があげられます。
一般に生後5カ月から5歳頃までは体温の上昇に伴いひきつけを起こす可能性があり、38℃以上の発熱に対しては坐薬等を用い熱を下げることも考えられます。解熱剤(熱冷まし)の他、場合により細菌をやっつける抗生物質や、ウィルスをやっつける抗ウィルス薬が必要な場合もあります。
代表的疾患名 | 好発年齢 | 季節 | 病原体 |
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突発性発疹 | 生後6カ月〜1歳 | 通年性 | ヒトヘルペスウィルス6型 |
インフルエンザ | 特になし | 冬 | インフルエンザウィルス |
はしか(麻疹) | 乳幼児 | 春 | 麻疹ウィルス |
風疹 | 学童・生徒 | 春 | 風疹ウィルス |
水痘 | 乳幼児・学童 | 通年性 | 水痘・帯状疱疹ウィルス |
ヘルパンギーナ | 乳幼児 | 夏 | コクサッキーウィルス |
手足口病 | 乳幼児 | 夏 | エンテロウィルス |
流行性角結膜炎 | 特になし | 夏 | アデノウィルス |
咽頭結膜熱(プール熱) | 学童・生徒 | 夏 | アデノウィルス |
無菌性髄膜炎 | 乳幼児・学童 | 夏 | エンテロウィルス |
小児の発熱で最も注意を要する疾患の一つが髄膜炎です。発熱の他に頭痛と吐き気、嘔吐が持続するようであれば、髄液検査(背中の水をとる検査)も必要と考えられます。
(文責:河合潔)
引用文献:感染症の診断・治療ガイドライン 日本医師会雑誌 1999